4C/IDモデルとは、Four Component Instructional Design Modelの略で、van Merriënboer らが提唱したインストラクショナルデザイン手法の1つです。
この理論は、人間の知識はスキーマの中に蓄えられることを前提としています。
※スキーマとは、”ある物事に関する知識について似たような事例が集まると、それらに共通したものを抽出して一般的知識として捉えることが可能になるという認知心理学の概念。
例えば、男性の保育士さんを見たときに「あれ、女性じゃないんだ」と感じるのは、
保育士さん=女性というスキーマがその人の中にできているということを意味します。


4C/IDモデルは、その名の通り4つの要素で構成されています。

①学習課題(Learining tasks)
具体的で本物の学習課題をこなすことで、学習者の中で適切な認知スキーマが作られ、学習が促進されます。
学習課題には、ケーススタディ、PBL(Project-based Learning, Problem-based Learning両方)、等様々な形がある。
【学習課題設定のポイント】
・課題は現実世界と関係のあるものが良い
・Whole task modelを意識して設計
  →個々のタスクは全体の文脈の中の一部であり、それぞれがどう関係しているか意識しながら学ぶ
・シンプルなタスクと複雑なタスクがミックスされること
・新しい課題は、これまでの課題よりも難しいものであること
・経験者からの指導は徐々に減っていくこと

②支援情報(Supportive information)
問題解決や推理に役立つ情報を与えることです。
例えば、本や解説書、クラスのノート、フィードバックなどが含まれます。
図でL字形になっているのは、これはタスク実施中だけでなく、実施前にも情報提供することを意味しています。
支援情報は3つの質問で説明されます
"How a domain is organized?(どんな構造なの?)":メンタルモデル(Mental model):概念の構造化
"How to approach tasks or problems in a domain?"(どうアプローチする?):認知ストラテジー(Cognitive strategy):学習方法
"How does this work?(どうやって機能する?)":因果モデル(Causal model):因果関係を理解したり、証明したりするモデル
【支援情報設定のポイント】
・非反復的な学習をサポートすること
・認知に関する戦略とフィードバックが含まれていること
・学習者は常に利用可能であること
 
③手順情報(Procedural information) 
反復的に学習を繰り返す中で、学習者の学びを高めるための情報です。
課題に取組む中で即時与えられることから、Just-in-TIme informationとも言われます。
【手順情報のポイント】
・事実、概念、フィードバックを分けて与えます。
・指導の際には、方法(How to)、デモンストレーション、例が提供されます。
・学習者が必要とするときに与えられ(Just-in-Time)、習得するとすぐに消えます。
 
④部分的タスクの実践(Part-task practice)
学習により認知スキーマを作る(意識の自動化)のためには膨大な練習が必要で、
そのために繰り返される部分的なタスクのことです。
タスクに対する認知は獲得している後で、繰り返しの練習が行われます。
4cid


ざっと書きましたが、英訳した文章に加え専門用語も多かったので
なかなかイメージしずらいかと思います。
自分自身のためにも噛み砕いた具体的な事例を当てはめて考えてみることにします。

【テーマ:新人に対する営業研修を4C/IDモデルを使って考える】
①学習課題(Learining tasks)
まずは課題の設定です。
営業マンとして活躍してもらうために何をどのような順番で学ぶ必要があるのかを考えます。
商品知識、マナー、心理学、ロールプレイ、先輩の同行等様々なタスクについて、
それぞれの繋がりを意識しながら全体の研修構成を考えます。

②支援情報(Supportive information)
続いて支援情報です。
営業のHow toに関する情報や、商品知識を学ぶパンフレット、
その他、営業の1日の流れを記載したタイムテーブルや(構造化)、
お客さんのニーズ別トークスクリプト(認知ストラテジー、因果モデル)などを準備します。

③手順情報(Procedural information) 
準備が整ったところで、新人にはタスクをこなしていってもらいます。
学習内容のテスト、同行、ロールプレイなど学習を進めていく中で、
即時フィードバックして学びを高めていきます。

④部分的タスクの実践(Part-task practice)
最後は学びの定着のための千本ノックです。
商品知識を暗記して説明する練習やパンフレットの説明など、
繰り返し繰り返し学ぶことで知識・スキルの定着を図ります。
営業活動が自然にできるようになると、それは営業のスキーマを獲得したということになります。


4C/IDモデル、いかがでしたでしょうか。
この4C/IDについては鈴木克明先生のがいくつかある程度でその他の日本語訳が見つからず、
英文の書籍、記事、論文、動画を数十個比較しながら読み込みまとめてみました。
日本語訳などが間違っていたら是非ご指摘ください。
このモデルは学校教育でも企業の社員育成でも使用できるスキームですので
よろしければ是非参考にしてみてください。